『ロード・レオン』

主なキャラクター: ロックレオンフローラ、グレート・ジョーグ、ドクヤマキ、ツェン・リー

 

 アストリス・コンツェルンの関連施設ばかりを襲うエスパー海賊ロード・レオン。アストリス会長グレート・ジョーグことジョーグ・ロトは孫息子ツェン・リーを虐殺された怒りから、レオンを倒すべく自ら戦艦「ウルフ1」で出撃するが、レオンの待ち伏せに会い逆に追いつめられる。そこへヤマキ長官の依頼で艦に乗りこんでいたロックが現れジョーグを救う。レオンはウルフ1を破壊したもののロックのためにジョーグをとりにがしてしまう。

 レオンとジョーグの確執の理由を探るためレオンの妹フローラを訪ねたロックは、ジョーグが12年前鉱山の権利目当てで二人の父親を殺し、レオンの手足とフローラの視力を奪ったことを聞く。兄が復讐のため海賊をしていると知ったフローラはレオンを止めるためロックとともに旅立つ。

 一方義手の不調にあせったレオンはアストリス本社のあるロンウォールを目指し、艦と部下を失いながらもアストリス本社へたどりつくが、一足違いでジョーグは心臓麻痺のため亡くなっていた。行き場をなくした憎しみと腕の激痛の中でレオンの意識は急速に狂いだす・・・


 全編実にハードな物語。実質的な主人公はレオンであり、彼の憎悪が狂気にまで高まってゆく過程がそのままストーリーになっている。腕の痛みにはじまり、仇の死、妹の死、内心頼みにしていただろうドクの死――レオンの行く先々に死がつきまとう。

 そしてロックは何かするほどに事態を悪化させている(泣)。いっそ「ウルフ1」でレオンを止めなければ、アストリス本社で死体を切りきざませておけば、フローラが生きてることをさっさと教えてれば、もうちょっと状況はマシだったろうに・・・(惑星ハノン上空で待機してた軍艦の人たちは脱出できなかったろうなあ)。

 思えば泥沼の展開だが、それでもラストシーンにわずかな希望を残している。「生きている限り可能性はある」「あきらめてはいけない」これはロックがくり返し人に(おそらく自分自身にも)言いつづけてきた言葉である。その思いはしばしば手ひどく裏切られ、傷つき、それでも信じる。それがロックの人生であり、『超人ロック』という物語なのだろう。

 そしてレオンへの情も『アウター・プラネット』でずたぼろに裏切られるのであった。嗚呼。

 

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