『流浪 PART1』
主なキャラクター:ロック、テオ、レティシア、トレス、ロドルフ、アルマ、セテ、ロザンナ、ソイ、アデル、オノ、ミズカ、エロイーズ
ナガト亡きあと皇帝の座についたアルマのふがいなさを前に補佐官として孤軍奮闘するトレスは、下の弟セテとマイノック皇国のレティシア皇女との政略結婚をすすめる。しかしセテとの顔合わせの席で刺客に襲われたレティシアは、突然現われ危機を救ってくれたエスパーの少年・テオに一目惚れしてしまい、彼を強引に自分のボディガードに引き抜いてしまう。
一方ミズカは事故で瀕死となったオノ博士の身柄を確保したために、謎の男たちに襲撃されたところを、テオと名乗るエスパーに助けられる。テオは超人ロックのクローンの一人であり、「父」であるロックと同じクローンの兄弟たちを探していた。博士は死亡したものの記憶からエスパー・コントローラーの製造法を得たミズカはテオの協力を得てコントローラー作りに着手するが、データを何者かに盗まれたうえ、突然テオが老衰によって倒れてしまう・・・
前作『ムーン・ハンター』と同じくエスパー・コントローラーを用いたクーデター事件(未遂)がテーマ。そこにロックのクローンたちの老衰現象がからんでくる。〈クローンは短命〉という設定が初めて出てきた話という点でも重要な位置付けのエピソードである。もっともはっきりと説明がなされるのはPART2になってからなのだが。
ほかにもここで明かされない謎は多い。ロックがなぜテオの外見と名前を用いていたのかはPART2どころか今もって明かされていないが(ロックは子供のテオしか知らないと思われるので、むしろあの14〜16歳くらいの姿はランの顔としての印象のが強いんじゃないかと思うんだけどなあ)。
一つの見所はトレスとレティシアというタイプの異なる二人の皇女であろうか。どちらも汎銀河戦争の混乱期に一代で大国を起こした英雄の娘だが、トレスは父の帝国を守ることに、レティシアは自分の恋にそれぞれ夢中である。なんだかニア姫の二つの面を分けあったような感じも。
それにしても以前エスパー・コントローラーのために殺されかけたミズカがエスパー・コントローラーを作ろうとし、同じく殺されかけたトレスがその裏にいるんだからなあ・・・。危険かつ有用なものだからこそ帝国で管理しようというのはわかるんだが。ドライな割り切り方はさすがというべきなんだろうな。この場合エスパー・コントローラーの技術をオノ博士の脳ごと闇に葬っておけばロドルフにデータを奪われることもなかったわけだから皮肉なものだが。
ところで結局ミズカたちはエスパー・コントローラーを作ったのか?この技術がのちの「針」なんかに応用された可能性もありそうだ。そしてアルマとセテの治療はどうなったのか?「メヌエット」シリーズでこのへんの謎はますます深まった感がある。
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