『プリムラ』

主なキャラクター:ロックプリムラ、レナー少佐、デューク、サトクリフ、ジョアン

 

 エスパーばかりを狙う賞金かせぎ「バムパイア」は、次のターゲットセルゲイ・ヤギ≠フ住む惑星ノームをめざす。一方ノームの宇宙港で、旅行者の少女プリムラ・レナーは、ひったくりにあったところを通りすがりの少年ロック・マナベに助けられる。その晩装甲スーツを身につけ「バムパイア」となったプリムラは敵の待ち伏せに追い詰められたところを再びロックに助けられる。彼女の荷物が装甲スーツと気づいたロックは、密かに彼女を見守っていたのだった。

 彼女の夢を覗いたロックは、連邦のデータキューブを隠し持っていたプリムラの父が数年前キューブを狙う男たちに殺されたこと、相手方のエスパーによって18歳だったプリムラは9〜11歳程度の少女の体に「若返り」させられ、そのためエスパーを憎んでいることを知る。

 一方セルゲイ・ヤギに対バムパイア用に雇われた傭兵たちはプリムラがバムパイアと気づいて再度プリムラのいたホテルを襲うが、そこでデータキューブ目当てにプリムラを追ってきた帝国のエスパー・サトクリフおよびロックとかち合い、邪魔が入るのを嫌ったサトクリフによって壊滅させられる。ロックとともに町を脱出したプリムラだが、サトクリフの部下ジョアンから三たび自分を救ってくれたロックが、500万の賞金首「超人ロック」だと気づいてしまう・・・。


 帝国時代の物語には珍しい人間とエスパーの確執をテーマに据えた作品。ロックがプリムラにひたすら親切。宇宙港での出会い方は彼らしいが、その後の肩の入れようは不思議なほど。ロックは明らかにエスパーに対して甘いので(『炎の虎』でのアマゾナや、『新世界戦隊』でのランに対する態度に顕著。彼らと同じことを〈人間〉がやったなら絶対許してなかったろう)、エスパーを何人となく血祭りにあげてきたプリムラをこうもかばうというのは、ロックとしてはかなりエポックメイキングな展開である。思うに同胞(エスパー)に対する親近感を持っているゆえに、彼女のエスパー嫌いの原因がエスパーの非道によるものだ、ということに責任を感じたんでは。

 そしてロックが帝国のエスパーたちに襲われ窮地に陥ったとき、プリムラは彼をエスパーと知ってなお助けるために戻ってきた。このへんに『愚か者の船』のクミとドメニコにも通じる〈希望〉を感じたりするのだった。

 

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