ヴィニ・アシダ

　『デスペラード』登場。生き別れの兄・クリストフを探して辺境を旅する少女。可愛いらしい外見相応に気の強さと頼りない部分を合わせ持ち、でも芯は気丈で無鉄砲かつお人よしの典型的ヒロイン。ロックがいなかったら何回死んでいたことか。よくこれまで無事に旅してこられたものだ。

　彼女について特筆すべきは、子供のときから何年も離れて暮らしていた兄を、顔を整形していてさえ絶対見分けられると無根拠に確信、いや信じるというのでさえなく〈兄妹なのだから当然〉と思っていること。実際声だけで（青年のころとは多少声も変わってるだろうに）ジャック＝ハルを兄と察したし。まあ〈血は水よりも濃し〉というやつでしょう。そんなヴィニとの対比で、血縁を持たないロックの孤独が浮き彫りになった感がある。

　ところでヴィニのＥＳＰというのは結局どういう種類のものだったのだろう。最後の場面で発現した〈本来そうあるべき能力〉は治癒能力ぽかったが、〈保護色〉と治癒能力では全然別系統に思えるし・・・？

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