セラフィム

 

 『不死者たち』登場。連邦軍の情報部員(本人いわく「ただの連絡係」)。見た目は妙齢の美女だが、超能力で代謝機能をコントロールしているためで実際はもっと年上らしい。トソールでのハントたちの案内役を務め、結果ともにフォン・ノイマンに捕らわれる。フォン・ノイマンが彼女をわざと逃がすことでミール大佐を呼び寄せ、それによってジオイド弾を手に入れようと考えたおかげで古代人のDNAを注射されずに済んだのは不幸中の幸いだった。

 彼女が登場した時にはてっきりハントといい雰囲気になるものと思っていた。リコの死からもう15年経っているし、こうしたシリーズ物に多いパターンとして主人公はそのつどゲストの美女と恋愛関係になるものだと予測していたのだが(『スカイホーク・ダンディ』シリーズのように)、意外にもそうはならなかった。「「クビ」になったらいつでもきな」だって別段口説いてるわけではなく、相手に好感情を持っていることを示した気さくな軽口というところだろう。「絶対軍には向いてない」と太鼓判を押された彼女が本当にクビになってハントを頼ることがあるとしたら、快く(仲間として)受け入れそうだけども。

 ロックが数多く修羅場をくぐってきてると知った時点で彼の正体をほぼ察したようなのに(ロックが首からかけたノイマン入りラフノールの鏡を見たときに完全に確信しただろう)、あえてそこは口にせず「今のはひとり言・・・」と笑顔で別れを告げた。彼女が上層部に〈超人ロック〉を発見したと報告してたらまたロックの周辺に一波瀾あったことだろう。さらりと見て見ぬふりをしたセラフィムの気遣いと賢さが光る場面だが、軍人、情報部員としてはなすべき仕事を放棄したとも言える。たしかに「軍には向いてない」のかも。まあ彼女はこの後も飄々と大過なく軽やかに情報部員を続けていきそうな気がするけれども。

 

home

SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO