ナミー・アナカル

 

 『超人の死』登場。非常に特殊なESP吸収能力の持ち主。35年前にロックのESPコントロール能力を吸収して「若返り」し、それまでの記憶も失って病院に入れられるが、その後バルカン生化学研究所へ移されESP開発訓練を受ける。

 彼女の力については謎な部分が多い。ロックは彼女に二度目に力を吸収された時「だめだ・・・殺され・・・・・・る」と考えている。宇宙空間だから単にESPを失っただけでも死に繋がるが、ロックの恐れは別の部分に由来してるように思われる。

 彼女に徐々に力を吸収されていたヨリックが次第に弱り最後は脳死した(その後突然起き上がってきたのはマスター・バルカンが体を操っていたのだろう)こと、マスター・バルカンが急激に老化して死んだことからして、どうやら彼女は超能力のみならず生命力それ自体も吸収してしまうらしい。『ダーク・ライオン』でロックがサイコ・ブラストの後「並の人間以下の状態だったのが、やっと最近能力がもどりはじめた」と言われているのも、ナミーに相当生命エネルギーを吸い取られたということなのだろう。単に超能力をなくしただけなら、それでもロックは頭脳・身体能力とも十分並の人間以上のはずだし。

 生命エネルギーを吸い取るから若返るのか、と思ったが、ロックから二度目に力を吸収したときは逆に年を取っている。何故に?記憶喪失みたいに前と同じショックを受けたことで前の状態に復したということか?あるいは再びロックの力を吸収したことで記憶が戻ったので、外見もそれに引きずられて(エスパーの外見は決定的なものではないので)35年前に戻ったとか?しかし外見変化の方が記憶戻るより早かったようだし・・・。結局よくわからないのだった。

 彼女はESPを吸収、宇宙に放出という大役に殉じて死んでしまった。その力に振り回されたような生涯だったが、最終的に彼女は自分の意志で宇宙を守る礎となることを決心した。迷いのない、穏やかで美しい表情だった。アンドレには可哀想というほかないが、彼女は「宇宙の母」だからアンドレだけのお母さんではいられなかったのだろう。彼女なりに幸せな人生だったのだと、そう思いたい。

 『黄金の牙』では、ロックはESPを回復した後エスパーたちの能力が正しく発展してるか捜し歩いている。ナミーの死以降に生まれたエスパーは(もしかするとすでに生まれていたエスパーも)彼女が放出した力を受けて生まれた、いわばナミーの子供たちである。そしてその力の源は半ばロックなのだから、ロックの子供のようなものともいえる。子供たちの行く末を見守る――外見は少年でもロックは父性の人だよなあと思うのでありました。

 

 

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