『魔術師の鏡』

主なキャラクター:ロックド・ラージュレーナリート、ネリク、オルタート

 

 社長として多忙な日々を送るライザ・マナベはある日ラフノールの司祭レーナの訪問を受ける。彼女はライザの正体をロックと知ったうえで、連邦のデータキューブを渡してほしいと頼む。ラフノールは帝国の宰相ド・ラージュに接近し、青年僧ネリクを側に送り込む一方で、帝国に抵抗する勢力に影で助力し、データキューブを渡すことを約していた。

 この頃コンピューターを操る超能力を使い強盗を働いていた青年リートは、追われるところをレーナに救われたものの相棒は死亡、帝国への復讐に燃える。ロックの提供した連邦の技術データとリートの力を得た革命軍は快進撃を続けるが、帝国もエスパー部隊を投入し巻き返しをはかる。そんな中ド・ラージュのもとを突然ロックが訪れる・・・。


 個人的に『ロック』の中で一番謎の多い話。そもそもラフノール≠ニは何だろう。惑星「ネオ・ラフノール」を総本山とする宗教団体という表の顔と、反帝国組織を支援する、後のSOE的(この頃すでにSOEの原形は存在しているはずだが、ラフノールと接触があったりしただろうか)裏の顔とで認知されてるようだが、「ラフノールの教え」というのがまたわからない。

 もともとラフノール人(ラフラール)の超能力は厳しい環境に適応するため開発されたものであり、かつて神殿で行者たちが学んだのは、ヴェルト・ニムがランに説いたような超能力を使ううえでの心得と技術だったと思われる。それが次第に超能力の心得から人生訓、さらに宗教的なものに進化していったものだろうか。帝国と反帝国組織の双方にわたりをつけてるあたり、彼らの政治力は大したものである。

 結局反乱をあおっておいて失敗した彼らの今後が心配になるところだが、それにもしっかり手を打ったようだ。なんとロックを司祭長代理にしたのである。ついこの間総がかりで殺そうとしたロックをかつぎ出す彼らの神経もかなりだが、要は銀河コンピューターの破壊をくいとめたことで帝国に大きな借りを作ったロックをトップに据えることで、帝国に恭順の意を示したものだろう。ロックが司祭長代理を引き受けたのも、それ以前にラフノールにデータキューブを提供したのも、帝国と反帝国勢力(ラフノール&革命軍)の間に入って穏便に事を収めたかったがためと想像される。

 この時点で帝国が崩壊すれば未曾有の混乱は避けられない。ゆえにラフノールが戦争をあおっているのは肯えないが、弟子(弟分?)だったリューブの息子リートを握られている以上放っておくわけにもいかない。考えたすえに使えないデータを渡して反乱軍を(なるべく小さな被害で)敗北に導くという形を取ったのだろう。もともとのデータにロックが手を加えたのか、〈UAIの部品を定期的に取り換えなきゃクズ鉄になる〉ように作られていた時代のデータなのか・・・いずれにせよ確信犯的行動である。それを承知でロックに司祭長代理を頼まねばならなかったラフノール側も内心悔しかったろうな。

 ところで「連邦の失われたデータ」に亜空間フィールドジェネレーターが入っているが、銀河コンピューターの作者であるライガーが製造したジオイド弾には亜空間フィールドが付いていたのに、銀河コンピューターにデータが入ってないものなのか?どうも裏があるような気がするぞー。

 

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