ラグ・ヤハト

 

 『星と少年』『スター・ゲイザー』『マインド・バスター』『虚空の戦場』登場。Gクラス以上とも言われるエスパー。ESPハンターに両親を殺され、ほうぼう転々としたのちロックと旅するように。5年後ラフノールに住みつきレマと結婚。汎銀河戦争の激動の中を生きる。

 ラグというとまずぱっと頭に浮かぶのは少年時代の彼。『星と少年』であれだけ辛い目にあっても、「泥棒はいけないこと」だと考えられる彼は本当にいい子だなあと思います。悪い意味でなく優等生タイプで。特殊な力を持った息子を気味悪がらずに愛してくれた両親のおかげかな。

 超能力については『星と少年』のときが一番強い気がするが、おそらくは力をうまくコントロールできず歯止めがきかなかったせいで、『スター・ゲイザー』以降は意識的にか無意識的にか力をセーブしている、ということでESPのレベルは変わってないんだろう。『星と少年』では連邦の軍艦を一度に五隻破壊し、『虚空の戦場』では重歩兵五体を倒していたが、どららがよりすごいことなんだろうか。

 『マインド・バスター』で再登場したラグはさわやかな好青年ながら、どこか哀愁を帯びていて格好良いです。大人の魅力。これは戦時下(『マインド・バスター』では戦争勃発寸前)だというのも大きいようで、惑星スラグに落ち着いてからはコミカルな部分も見せてくれる。

 スラグ時代の彼は、エスパーであることを隠す苦労はあっても、結構幸せそう。子供たちにもやさしいお父さんだったんだろうなあ。子供たちの様子からすると父の威厳はからきし、という気もするけど(彼らの尊敬の念はもっぱらロックに集まっている)。あのUAI潜入のあたりのこの一家の会話、どこをとっても大好きです。「ぼくらも行くよ」「これはピクニックじゃないんだぞ 絶対にいかん!」、「おまえたち!あれほど残ってろと」「あと!あと!」とか。

 でも「おしおきされるかもよ」のセリフのあたりに、子供たちもみんな男らしくて優しくてときどき怒りっぽくてちょっと頼りない〈お父さん〉が大好きだったんだろうなあと感じる。というか絶対そうあってほしい。

 ところで以前から気になっていたのだけど子供たちはラグとレマを何と呼んでいたのだろう(パパといえばロック、ママと言えばテネロのコンピューター)お父さんお母さん?おじさんおばさん?個人的には前者採用。もう願望だらけですが。

 余談だが、ラグが子供たちに超能力の使い方を教えるシーンは何度読んでも胸が熱くなる。ラフノールという星そのものは滅んでしまっても、その教えはフラン(ロック)からラグへ、ラグからロックの子供たちへと受け継がれてゆくんだなあと。『超人ロック』全編通して10本の指に入るくらい好きな場面である。

 

home

SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO