レディ・カーン

 

 カーン財団総帥。自ら育成したエスパーを利用して自分のための王国を築こうとする、かなりストレートな悪役。権力や永遠の命への執着は至って強く、元は結構な美人だったにもかかわらず、その美貌を惜しげもなく捨ててグロテスクなサイボーグ体へと転身。もう少しましな外見にはできなかったものなのか。あるいは外見に全然頓着しない性格なのかも。「たしかに醜く見えるかもしれんが」って平然としてたもんなあ。

 しかしあの部屋、あのケースから一歩も外に出られず、山ほどの機械によってかろうじて生命を維持しているような状態で銀河の王者になってもちっとも嬉しくない気がするんだが。価値観は人それぞれってことですね。

 ところで『魔女の世紀』の感想では、ロックのレディ・カーンに対するやたらな敵意はエスパーを利用して私欲を満たそうとする彼女への怒りゆえと書いたけれど、基本的に温厚なロックの口から「殺してやる」なんて台詞が出てくるにはそれだけでは説明がつかない気がする。

 導入部でヤマキ長官からレディ・カーンの名前を聞いたときの反応もただごとではなかった。以前にレディ・カーンからミレニアム建設への協力を依頼されたさい、〈興味がなかったから断った〉と長官には話しているが、実際にはそんな程度ではすまされない相当な因縁があるんじゃないか。それこそ友人ないし恋人をレディ・カーンに殺された、というくらいの。

 だとすればロックのあの態度もうなずける。個人的にはいまだ素性の明かされない謎の女性「ライザ」がらみのエピソード(『ライザ』は『星と少年』少し前くらいの話なので、必然的にオリジナルのライザはそれ以前の時代の人間である)ではないかと想像、というより願望、していたりするのだが。

 

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