ランとニアのエロティックな朝

 

 「なんだこのタイトル?」と思われそうですが、要は『光の剣』冒頭部、惑星オプタでの朝の光景のことです。

 なにやらガタガタと物音がするのに目を覚ましたニアが隣室のランに声をかけ、超能力やロックについての雑談がしばしあり、そこへクラウ・ロニが襲撃してきて本格的に物語が始動するわけだが、ここで問題にしたいのはニアが「ロックは?帰らなかったのかしら?」とランに尋ねているように、前の晩ロックは不在だった=ランとニアは一晩中二人きりだった、ということである。

 二人とも特に心配してる様子がないのでロックが朝帰りするのはそう珍しくないこと、その後「ぼくもはやくなにか仕事を見つけなくちゃ」と会話が進んでいくので朝帰りの理由は仕事(残業)なんだろうことがうかがえるのだが、いかに仕事を抜けられないとはいえ年頃の男女を夜通し二人きりにしておくとはロックも大胆である。ランがニアに絶賛片想い中なのはロックも気付いていたようなのに。まあランは性格的にまずニアを襲っちゃったりはしないだろうし、そもそもニアの方がESPが強いのだから手を出しようがないと安心しきってたものか。

 ただ行動に移すことはなくともランが内心どんな気分でいたものか――あの朝、ニアより早く起きていたランは当然ロックが帰らなかったのを知っていたわけで、一晩中、今現在もニアと二人きり、扉の向こうで彼女が無防備に寝ていることに胸がざわついたりしなかったのだろうか・・・?

 そしてまたこの朝のニアがなにかとエロいのである。ノースリーブのワンピースのような服を着ているのだが(この服のまま寝ていたから実は寝巻なのかも?)これが膝上15センチ以上ありそうなミニスカート。ニアが凹凸の乏しいスレンダー体型だからさほどいやらしくないものの、朝っぱらから好きな女に手足剥き出しの露出度の高さで目の前をうろうろされるというのは・・・。しかもニアときたらランと会話を続けながらシャワーを浴びるのである(しかし「でも・・・ ぼくだってロックと同じエスパーだよ」「彼は別よ」「人にエスパーと気づかせずに超能力を使えるのは彼ぐらいのものよ」というやりとりの間にシャワーを浴びてもう出てくるってスピーディーすぎるだろ)。どうしたって彼女が今どんな姿でいるか想像してしまうじゃあないか。誘ってるのか!?というくらいの無防備さである。

(余談だが、ニアはお色気要員的要素は意外なほどにない。あんなミニを着ていながら少年誌だというのにパンチラ一つなく(敵の襲撃を受け緊縛されたりしているシチュエーション的には見えてもおかしくない)、「死人ごけ」中和後は全裸っぽいのにランの体に隠れてよく見えないようになっている。むしろ幼女のネイマ=エルミの方がお色気要員だ(笑)。)

 このあたりのニアの言動はひとえにランとの関係が擬似母子関係からスタートした(と思われる)ことに根ざしているだろう。さすがに全裸をさらしたりはしないだろうが、ランと二人きりだろうが露出度多めだろうが、ランは〈子供〉なのだから気にするにはあたらない――そういう気持ちが心の奥にあるのだと思う。

 対するランの方はといえば、上であれこれ書いたものの彼の表情を見るかぎり、ニアの服装やら会話しながらシャワーを浴びてることやらにドキドキしてる気配はない。恋する青少年としては淡々としすぎじゃないか?とも思うが、やはり親子さながらの関係の延長線上に現在があるため、彼女に対する想いが〈母親〉への思慕から恋愛に移行してもそういう感覚が追いついてないのかもしれない。過去にいろいろあったために反動で性的に淡白になった部分も多少あるのかも(『光の剣』からは想像もできないが、実はその道においてはロックより経験豊富なくらいなんだよなあ。人数でなくドロドロ度合いで)。ロックが彼らを二人きりにしておいて平気らしいのも、二人の関係に性的な匂いが一切ないからなんだろうと思われる。

 ところで、クラウ・ロニがニアを襲撃する直前、ニアの居所を探らせていた「船長」から「若い男二人と一緒に住んでいる」と聞いたときに「男?」と聞き返しているのに笑ってしまった。何を想像したんだ。まあ世間的には身内でもない男(しかも複数)と暮らしてれば変に勘ぐられて当然だろう。表向きは兄妹とでも言ってあるのだろうが三人とも顔が似てないし。おそらく船長に情報をもたらした相手も三人の間を勘ぐってたんだろーなー。

 

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