ジョアン・プリミエ

 

 『赤いサーペント』登場。砂竜ハンター。強気で行動力があり、頭も切れる。きつい性格のようだが存外親切。クーガーの「意志の力」に魅了され彼についてゆこうと決めるが、恋愛感情ゆえというよりクーガーの理想に夢をかけたという感じに見える。

 一方でクーガーについてゆくことに不安を覚えてもいるが、それはクーガーの動かない表情による部分が大なのでは。彼が何を考えているのか、結局のところジョアンは理解できなかった、理解できないまま乗りかかった船に乗りつづけるしか、クーガーを信じるしかなかった。クーガーに守られてるかきり、持ち前の行動力や判断力を発揮する機会がないこともストレスになっていただろう。

 最終的に、クーガーを信じ、彼に誠実であろうとしたのがたたって、彼女は(事故とはいえ)クーガー自身の手で船ごと消滅させられてしまった。クーガーと出会い彼を信じたためにジョアンはあんな死に方をするはめになった。ただ、クーガー本来の自我を目覚めさせたのは彼女だった。いかにジョアンへの愛を語ろうと「書を守る者」のクローンとしての役割が最優先であるかに見えたクーガーがジョアンの死にああも動揺するとは、それほどクーガーが自分を想ってくれてるとは彼女はきっと気付かないままだったろう。

 クーガーに関わったために寿命を縮めたという意味で二人の出会いはジョアンにとって幸福だったとはいえないかもしれない。しかし自分の存在が他人の人間性をその後の人生を根元から変えた、そして間接的に銀河の歴史さえ動かしたという形で、クーガーを介して彼女の命は最高の輝きを得たのだと、そう思いたい。

 

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