『邪神降臨』

主なキャラクター:ロックミズ・アバド、ヌーム、議長、司教、ミヒャク、大司教

 

 炎の神「ヌーム」をあがめるウダク教徒らは大司教の指揮のもと、強烈な催眠暗示によって連邦軍艦隊を操り多くの惑星を破壊、大惨事を引き起こしていた。連邦の議長から協力を乞われたロックは、連邦軍情報部のミズ・アバド少尉とともにウダク教徒の総本山・惑星パドマへと乗り込む。

 しかし彼らの来訪をすでに察していた敵はパドマ中の教徒を使ってロックたちに執拗な攻撃を加える。何とか攻撃をやりすごした二人は罠と承知で敵の中枢イオタ市の大聖堂へと乗り込むが、そこには自己再生力と超能力を持つ怪物「ゴレム」の群れが待ち受けていた。ロックは善戦するものの、少尉が彼らの手に捕らえられてしまう・・・。


 ついにロックの生涯の(?)宿敵が登場。こうした主人公の最大のライバル的存在のキャラが(ヒットコミックス版で)35巻目にして初めて登場してくるというのも珍しいかも。まあ彼の前身はすでに登場しているわけですが。その前身が具体的に誰なのか――はっきり「グルンベルク」という名が明かされるのは続く『プリンス・オブ・ファントム』だが、ロックへの恨みや、ロックと戦って何もないところへ飛ばされたという発現、それが600年ほど前らしいことから、『邪神降臨』の時点で彼=グルン・ベルクだと気付いた人は多かったのでは。

 ところでこの“彼”が自分がかつて誰だったことがあるかを語る場面で、〈ロックの仲間だったこともある〉発言にドキッとしたのは私だけではないだろう。なにぶん自分の好きなキャラクターが“彼”の一形態だった可能性が出てきたわけだから。まあ私的には“彼”=グルン・ベルクならそのグルン・ベルクと戦った、同時に存在していたランは“彼”ではありえないのですぐに安堵しましたが(ちなみに〈ロックとたびたび戦ってきた〉という発言からは二度にわたってロックと大激戦を繰り広げたロード・レオン=ライオット・アレクセイを想起したくなるが、彼もランと同じ時代―したがってグルン・ベルクと同時期―に存在してるのでセーフ)。

 大司教がどうやって“ヌーム”を見つけたか、何を基準に「時は至れり」と判断したのか、「新しいマトリクスがいる」発言が何だったのかなど謎に満ちたエピソードではあるが、しかしこの大司教、“ヌーム”の正体もましてやロックとの確執も知らなかったようだが、“ヌーム”の肉体に人もあろうに彼の永遠の仇敵たるロックを選ぶあたり慧眼というか皮肉というか(最強の超人の肉体こそふさわしいという発想自体は自然なのだけど)。

 ところでウダク教徒の狂信とデスペレートな戦い方はかつての「インナークロス」を彷彿とさせるものがある。しかしウダクが暗示で人を操ってたのに対し、「インナークロス」は強制的な催眠ではなくライガー教授のカリスマに幻惑された結果のように見える。このへん、やっぱりライガー教授はすごいわ、と再認識したりして。

 

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