フランシス(聖霊フラン)

 

 『アウター・プラネット』『スター・ゲイザー』(『魔術師の鏡』にもちょこっと)登場。連邦軍の大尉・エスパー部隊指揮官。ロックを愛してしまったため軍を脱走するが、ロックにラフノールに置き去りにされる。その後エネルギー吸収シールドの事故で致命傷を負い、鏡の聖霊となって修行僧たちを導く。真面目で仕事熱心、正義感が強く、冷静に見えて結構情熱家である。二、三度会っただけのロックを追いかけて連邦を脱走するくらいだから。回数は少なくとも密度の濃い出会いではありますが。

 ちなみに『星と少年』でフランシスのマトリクスを使ってたり、いつのまにか呼び捨て(愛称)になってたりするあたり、ロックの方も彼女にまんざらでもなかった気がする。なのに彼女を突き放したのは、「私なら 耐えてみせるわ!」がまずかったのではないか。

 耐える、ということはつまりは苦しいということだから、好きな女が自分のために苦しんでるのをそばで見てる方も堪らないだろう。ミルバやミラなんかだと、自分だけが年をとっていっても、あんまり深刻に悩まなそうな感じがあるからOKだったのかも(『久遠の瞳』ではロックがミラに合わせて(マトリクス変換で?)老人の姿になっていたけれど、ミラが「本当は若い姿でいられるのに私のために・・・」とか本気で悩むタイプだったら、やはり一緒には暮らせなかったろう)。

 ところでロックは彼女の求愛を受け入れる気がないのになぜフランシスをラフノールに連れていったのか。ロックはこの時期の連邦にはいい感情を持っていないので、ある意味エスパーの楽園であるラフノールで生きるほうが彼女のためと判断したのか。でも置き去りにしてもきっとロックを追ってくることは目に見えてるが。ラフノールに出発した時点ではエネルギー吸収シールド張る予定なんかなかったんだし。

 ともあれロックが彼女を安心して(?)置き去りにできたのはランの存在があればこそだろう。一応ラフノールの王さまなんだし、誤解から銃を向けたことを反省してたし、彼女の身の振りようくらいなんとかしてくれるだろう、と。フランシスの方も殺されかけたわりに彼に悪い感情はもってなさそうだ(願望かな?)。結果的に彼女が連邦軍を呼び寄せたのは確かなのだし、なんといってもロックの友達だということ、ラフノールのエスパーを救えなかったと悲嘆にくれる姿を目撃してることがあるからなあ。

 ただ『スター・ゲイザー』の時点でなおランが「フランシス大尉」と呼んでたあたり、たいして親しくもならなかったようだ。ラフノールでただ二人のよそ者なのに。

 事故ののち、鏡の聖霊となったフランはまさに聖母のような穏やかさ、神々しさ、母性を感じさせる女性へと変化する。『魔術師の鏡』を見てもラン&ニアよりよほどラフノールの修行者から慕われてた感じがする。置き去りにされた当初は近代以前の文明レベルに愕然としただろうが、(聖霊になってから?)ラフノールを故郷として深く愛し、修行者を導く日々に何にもまさる幸福をおぼえている・・・つくづく人生何がどう幸いするかわからない、という好例であろう。

 

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