四天王恋バナシ(岩鬼編)

 

『プロ野球編』でサチ子との恋愛ネタをさんざん展開しつつ最終的に元サヤで夏子さんとくっつくに至った岩鬼。ネット情報によれば(『プロ野球編』の途中ごろには)水島先生は岩鬼とサチ子をくっつけるつもりだったらしい。それが里中−サチ子路線に変更された理由はわからないものの、『スーパースターズ』編が始まった頃に水島先生がインタビューで「今度里中は山田の家の近くに引っ越してくるから、そうするとサチ子が里中の病弱なお母さんの看病ができます。そうすっとね、情が移る。となるとね、やっぱ里中かな〜って思っちゃうんだけど(笑)。」と答えていて、里中が山田家の近所に越してくる−二人が親密になる契機を作ったということは、この時点で里中−サチ子が水島先生の中でかなり浮上してきてたんでしょう。
最初は、あっさり岩鬼とサチ子がくっついたんじゃ面白くないから子供時代にサチ子が追いかけてた里中も巻き込んで三角関係ぽくしてみようと図ってみたのが、だんだんそっちが本命になってしまった流れだったんでしょうか。

ただサチ子と岩鬼については、この二人が将来くっつく可能性、サチ子は憎まれ口をきいても内心では岩鬼のことが好き、というのは無印時代にすでにたびたび匂わされてはいた。その具体的な例については「山田 サチ子」の項で書いたので繰り返しませんが、『プロ野球編』初期の、サチ子が無印時代以上に里中中心主義(95年、96年のオールスターに際しての反応など)を見せていた時期でも「へらず口女め こんな女嫁にした男は一生不幸やで」と岩鬼に言われた際に「じゃあハッパが不幸やな」とさらっと笑顔で返したりしてて、サチ子は、たぶん本人は里中を好きなつもりでいながら無意識に岩鬼に惹かれてるんだろうなと感じたものです。サチ子のこういう岩鬼への無意識的好意を表すシーンは実に微笑ましくて、特にこの「じゃあハッパが不幸やな」などは大好きです。
岩鬼の方も無印時代からお風呂でサチ子にセクハラ的言動をたびたびしている。これは岩鬼がロリコンということではなく、幼児とはいえ女の子が全裸で目の前にいれば興味が動くのは思春期の少年として自然な反応だと思いますが(むしろ全く普通に接している岩鬼以外の野球部の面々の方が不自然な感がある。70年代はまだ内風呂のない家もそう珍しくなかったろうから銭湯などで幼女の裸を目にする機会が少なからずあっただろうことをさっぴいても。おそらく「相手は子供なんだから意識なんかしてたまるか!」という意地でそのへんの情動は押さえ込んでたんでしょうねえ)、岩鬼だけそういう反応を描かれてるというのは、ごく幼かった頃から無意識にサチ子を女として見ていたことを仄めかすものとも思えます。
96年に里中がオールスターで九奪三振を成し遂げ山田家でそのお祝いをやった際に、岩鬼が一人下痢を訴えて山田家に居残る場面がありますが、殿馬や里中が口々に「見え見えの仮病づらよ 帰りたくねえづらよ サチと一緒にいてえのよ」「惚れられてんだよ」とサチ子に言っているのも、軽口とはいえこの頃まだ岩鬼は夏子さんと交際中なのにもかかわらずこういう台詞が出てくるのは、岩鬼がサチ子に無意識に惹かれているのを周囲は敏感に感じ取っているという描写なのかもしれません(もっともこの直後ストーリーは岩鬼と夏子さんが別れるエピソードへと進んでゆくので、上記シーンを描いたあとで夏子さんのことを思い出し、いずれ岩鬼−サチ子路線に進めるための布石として急いで夏子さんとの別れを演出した可能性が大)。それに対しサチ子は「やだー あんな奴」と答えていて、顔を赤らめるなどあからさまに気のある様子を見せるでも逆にむきになって否定するでもない、でも内心満更でもないのかな、というこれもなかなかに微笑ましい反応を見せています。

正直この頃のノリのままやがてサチ子の成長にともない岩鬼と恋愛関係に発展していったなら私は普通に歓迎していたと思います。夏子さんは中学の頃は内心長島さんに惹かれていたし、高校以降一応岩鬼と付き合ってるような形になってからもニセ学生に靡いて岩鬼を放置(それもたまたま岩鬼が二人のツーショットを目撃したから発覚したのであって、ちゃんと別れを告げるでもない体のいい二股状態だった)しながらさして岩鬼に申し訳なさそうでもないし、「本当にこの人、岩鬼を好きなんだろうか?」と思う局面が少なくなかったため、年は離れていてもサチ子との方がお似合いじゃないかという気は無印時代からしていたので。こうした夏子さんの描き方からして、最初からいずれこの二人は別れて岩鬼はサチ子とくっつく未来図が(もともと『ドカベン』は高校までで終わる予定だったから実際に描くつもりはなかったにしても)水島先生の頭の中にはあったんじゃないかと思います。『大甲子園』決勝戦で、わざわざエンタイトルツーベース(岩鬼−夏子の愛が壊れるフラグ)なんてシーンが入ってもいるし。

だから夏子さんと別れた後(別れのエピソードは相当強引な展開でしたが、岩鬼の男気と愛情深さを示しつつ夏子さんにも極力傷をつけなかった点で上手い落としどころでした)、フリーになった岩鬼が相変わらずサチ子と憎まれ口を叩きながらもどブスのはずのサチ子がだんだん気になっていく、サチ子も岩鬼の視線を気にしたり彼の言動に妙に心をざわめかせたりしながら次第に自分の気持ちに気付いていく――そんな展開だったならカップルとして素直に応援できました。この二人がまだ全然恋愛未満だった頃――「三振せえハッパァー」と野次るサチ子に「嫌いは好きより好きちうもんよ 結局あのどブスチビわいの一番のファンなんや」と岩鬼が思う場面(実はこの一くだりは全部岩鬼の夢だったんですが)も、97年秋ごろ(サチ子小6)に山田兄妹と岩鬼が一緒に銭湯に行ったさいの「遅すぎるで お前 髪切ったんやさかい頭洗うの早いはずやろが」「その分 胸が出てきたから時間がかかるんだよ」「胸てお前がか?嘘やろ」「見せてみいや」「誰が見せるか アホ」なんて会話も、お互い悪態をついてる中に相手を意識する気持ちがほの見えてて可愛い感じだったんですが。

それが崩れたのは明らかな恋愛のきざしが見えたサチ子中二時点。口の悪さは相変わらずでも妙に熱心に山田家を訪ねてくる岩鬼に何しにくるのかサチ子がツッコんだところ、観念した体の岩鬼がサチ子に気がある旨打ち明けたのでした。
この時サチ子は相変わらずの毒舌で素っ気なく岩鬼の好意を突っぱねてしまうのですが、その事自体はまだ中二なんだし情緒的にちょっとオクテなんだと思えばサチ子の中ではまだ時が熟してなかった、ということで納得できるものの、告白してしまった後の岩鬼のサチ子への態度が豹変しすぎる、「サチ子はん」などと呼んだりしてるのが何とも違和感というか締まらない。
水島先生もそう感じたのか二人の恋愛フラグはそのまま立ち消えになり、次に彼らの恋愛ネタが登場するのは翌年の日本シリーズ終了後(そういえば前年の岩鬼→サチ子ネタも日本シリーズの少し後だった)、サチ子中三の時。初登場当時の不吉霊三郎が山田家の周りをウロウロしてた(実は山田家屋根のアオダモが目当て)のをストーカーと勘違いして警戒心を強めていたサチ子が、岩鬼が用心のため泊まるというのを「本当に泊まってくれるの?」と素直に喜ぶ様子を山田がいぶかしむくだりに端を発し、そのままサチ子が次第に岩鬼に優しげな態度を取るようになってゆく形で表現されます。

岩鬼がサチ子にデレデレするよりは女心に目覚めたサチ子が岩鬼に接近していく方が水島先生的に自然に思えたのかこの路線はしばらく続くことになります。前年にはサチ子への恋心を表明していた岩鬼がそのことを忘れ去ったかのような態度なのは矛盾しちゃいるものの、あれが違和感ありありだったのは確かなので“あれはなかったことにして仕切り直し”でもまあいいかと思えたんですが、翌年の開幕戦第二戦(西武対ロッテ)をテレビ観戦していたサチ子が“岩鬼と結婚する”といきなり叫ぶあたりから一気におかしくなっていった。
試合自体は西武は知三郎、ロッテは球道が先発、しかも山田の第二打席で突然足に異常を発した(肉離れ?)球道に代わって里中が一球のみリリーフという豪華さに加え、山田はこの試合に連続ホームラン記録がかかっているとか、第一打席で山田にホームランを打たれた球道がリベンジのためDHを使わず自ら打席に立ってホームランを打つとか、知三郎はあえて球道の狙い通りのストレートで勝負することで、次の山田の打席で球道が状況いかんにかかわらず逃げられないように図ったとか、いろいろ盛り沢山の内容だったのですが、最後に「ハッパは四連続で終わってお兄ちゃんに新記録のチャンスをゆずってくれたのに里中ちゃんは何よ!! こんなチャンスめったにないのに里中ちゃん嫌いよーー」「やっぱりハッパだな ハッパ大好き!! おじいちゃん私の結婚相手決まったーーっ 岩鬼に決めたーーっ」なるサチ子の台詞で全て台無しになった。
男たちが真剣勝負をしているというのに、その結果がたまたま兄の利益になったかどうかで相手への評価を上げ下げする失礼さ。岩鬼は別段山田の新記録のために手加減したわけじゃなかろうに、「ゆずってくれた」よばわりはさらに失礼。身内を贔屓したくなるのは当然の心理とはいえ、兄とその友人たちが敵味方に分かれて戦っているのはここ一、二年の話ではないのだし、里中が山田を抑えたのもこれに始まったことではないのに(95年後半戦の初対決の時も山田の絶好調に水を差している)。
あえて善意に解釈するなら、岩鬼に惹かれてゆく一方でまだ心の底に残っている幼少期からの里中への憧れを吹っ切るために、兄の連続ホームラン記録をだしにして自分の気持ちにけじめをつけようとした――となるでしょうか。これ以降、岩鬼の成績の良し悪しを何かと山田への(つまりは山田への妹である自分への)配慮ないしは自分の(もしくは自分への)愛情の成せるわざと言い立てたがるサチ子の恋愛脳はとどまるところを知らず、『プロ野球編』後半の通俗低音となっていきます。

これがサチ子一人で言ってるだけなら、まだしも小娘のたわ言と無理矢理呑みこむこともできる気がするんですが、2001年のオールスター時にサチ子に接近してきた謎の男が再登場時に、山田がケガで欠場中に二冠王になった岩鬼に腹を立ててるサチ子に「他の奴にタイトル取られるならまだ自分が捕ったほうがサチ子も喜んでくれるから頑張ったんじゃないか」と推論を述べたり、2002年の日本シリーズ時には「お兄ちゃんのホームラン王をとるよーなハッパは嫌いよ」とすねるサチ子を「でも同数で止めるところがあの岩鬼君のやさしいところじゃないか」とじっちゃんがなだめたりしている。誰か勝負の世界の非情さをサチ子に説明してやる人間はいないのか。
もともと何か思惑があってサチ子に近づいてきたのだろう(このへんはついに説明されることがなかった)謎の男が無責任にサチ子を増長させるような発言をするのはともかく、身内であるじっちゃんが孫のご機嫌をとるばかりでその我が儘な発言や行動に歯止めをかけようとしないのはなんなのだろう。もっともたまに山田がサチ子の毒のある発言(たとえば「恩返しのため」にと山田のケガを治しにきてくれた武蔵坊に「どうやって恩返しをするの?がんばれの言葉なんて何の力にもならないわよ」と暴言吐いたり。かつて武蔵坊が岩鬼の母を救ったのを聞いてないのだろうか)をたしなめてもサチ子は反省する素振りも見せてないしその後も行動を改めてないので、もはやじっちゃんはサチ子の性格補正は諦めてしまってるのかもしれません。

そうやってちゃんとたしなめる人間がいないまま、サチ子はマスコミや岩鬼のチームメイトの前で結婚宣言したり岩鬼にすがりついたりの問題行動を繰り返し続ける。当の岩鬼がほぼ一貫して「プロ選手に憧れる女学生の一時の夢でんがな」「みんなサチ子の冗談を何本気にしとりますんや」と相手にしていないのがまだしも救いです。そう、岩鬼とサチ子をくっつける予定だったにしては、サチ子の過剰なアプローチにも限らず岩鬼がいっこうサチ子になびく方向にいかない。一時(2001〜2002年)岩鬼がサチ子が美人に見えるようになった→それにともないど真ん中が打てるようになった(しかしファールが多いため全体として不調)というフラグ立てらしきエピソードがありましたが、頭部死球をきっかけにまたサチ子がブスに見えるようになり悪球打ちに戻るというオチがついた。
サチ子は「いい感じだったのに今はまた元に戻ってしまった 悪球打ちの岩鬼に それ以来全然進展がない」と不満を漏らしていますが、ど真ん中が打てた一時期もそれ以前も別段二人の仲は進展などしていなかった。この二人の関係は(サチ子中二時点のアレをのぞけば)常にサチ子の片想い状態で、岩鬼の側はサチ子に惹かれつつあるような描写がちょっと入ったもののまるで発展しないまま結局は振り出しに返ってしまった。水島先生としては「岩鬼がサチ子にデレデレする」のがしっくり来なくてサチ子の方が積極的にアプローチする方向に切り替えてみたものの、ずっと「どブスチビ」呼ばわりしてきたサチ子の求愛を受け入れ彼女を愛するようになる岩鬼をイメージできずに、頭部死球という形で二人の恋愛路線にひとまず終止符を打ったんじゃないかと思います。

(ついでに書くとサチ子が美人に見えたらど真ん中が打てて悪球が打てなくなったという設定は、物語としてもうまくなかった。無印の時点から岩鬼の狂った審美眼と狂った選球眼は結びつけられてはいましたが、サチ子が美人に見えるようになったせいで選球眼がまともになり、それで成績が左右されるというのはあまりにストレートに恋愛ネタを野球に直結させすぎていて、本来『ドカベン』の魅力だった試合上の駆け引きの面白さがすっかり脇へ押しやられてしまった。かつて『タッチ』他あだち野球マンガを“野球を恋愛ドラマの道具にしている”と批判したと噂される水島先生だというのに。
確かに恋愛による精神的テンションの上がり下がりが試合に影響することは現実にも大いにありうるでしょうが(『ドカベン』ワールドでいえば高二秋白新戦での岩鬼の満塁ホームランや2006年シーズン最終戦での里中の失投)、ダイエーの試合の時に、岩鬼がど真ん中を打てるようになったという流れで一度ならず「サチ子は美人」だと選手たちの会話の中で言及されるのが正直鬱陶しい(笑)。なぜ野球の試合中に女の美貌談義を聞かされねばならんのだ。
恋愛ネタとしてもサチ子個人を好きになったから彼女が美人に見えるようになったというなら自然だしいい話だと思えたものを、選球眼=審美眼自体もまともになった設定にしたために、つまりは他の女も美人は美人に見える(推定。サチ子はじめ皆「美人は美人と見えるようになっ」たという言い方をしてますが、実際に他の女がそう見えてるシーンがないので)ということでサチ子の特別性―彼女だからこそ綺麗に見える―がなくなってしまった。しかも審美眼の変化と連動してど真ん中を打てる打てないの話がメインになって肝心の岩鬼がサチ子に愛情を感じているかどうかはすっかりあいまいに。無理に恋愛ネタを野球に接続したために虻蜂取らずに終わった感があります)

そして岩鬼−サチ子路線が後退したのにともない、サチ子が“岩鬼との結婚を決めた”と叫んだのと同じ回に三太郎が「あの山田の妹と里中は実はいい仲なんですよ 間違いなく将来結婚します」と何を根拠にかチームメイトに宣言していた―岩鬼−サチ子路線が本式に動き出すと同時にフラグ立てされていた―里中が入れ替わりに浮上してきた。2003年の開幕試合のとき「里中ちゃんに乗り換えてもいい?」と尋ねたサチ子に「大歓迎だよサッちゃん」と里中が答えてサチ子がときめきを覚える(里中の方は全く気がないと思いますが)描写に始まり、メジャー行きを夢見る里中が結婚を勧められたり、サチ子が里中母の看病係に名乗りをあげたりで次第にこの二人の距離が縮まってゆく。病弱な母+母親思いという属性を持つ里中はサチ子が母を看病→里中がサチ子に感謝、という流れから恋愛ネタに持ってゆきやすく、その分水島先生の筆も乗ったのかもしれません。
・・・そういえば岩鬼の母親も一度は心臓発作で危篤に陥ったわけだし、岩鬼の母思いも里中に劣らない。なぜか『プロ野球編』以降岩鬼の家族には全く触れられなくなりましたが、母の心臓病再発→サチ子が献身的に看病→岩鬼はサチ子に深く感謝し彼女に向ける視線も変わってゆく(献身的に看病するサチ子の姿が美人に見える)、とかなら岩鬼−サチ子路線を自然に成立させられたんじゃないかなあ。
ともあれそんな展開にはならず、里中が母のため山田家近隣への転居を決意したときサチ子は「やったあ里中ちゃんが保土ヶ谷に来る 岩鬼なんかあっちへ行けーー」と歓声をあげている。この台詞に先立つ山田一家と里中母子の会話の中に岩鬼の話題は出てないのでサチ子がいきなり岩鬼の名前を出すのはいかにも唐突なのですが、これはかつての「里中ちゃん嫌いよーー」「やっぱりハッパだな ハッパ大好き!!」発言同様、サチ子にとっては自分の愛情を受け入れてくれない岩鬼に見切りをつけて里中への愛に生きようという、自分自身に対する宣言だったんじゃないでしょうか。

かくて『スーパースターズ編』に入ってからもしばらくは岩鬼−サチ子路線は完全に捨て去られはせず時に蒸し返されたものの(それもサチ子が岩鬼に憎まれ口を叩くのに対し、むしろ岩鬼の方が心なし気のありそうな台詞を口にするこれまでとは逆のパターン)、夏子さん再登場にいたって完全にこのルートは断たれることになりました。それもさんざんサチ子へのプロポーズのタイミングをつかめずにきた里中がついに、150勝したらサチ子に結婚を申し込むと兄である山田に宣言した直後に、岩鬼のマンションに数年ぶりに夏子からの手紙が届くという実にわかりやすいフラグの折り方。
サチ子との関係が全く発展しなかったのに対し、夏子とは再会後結婚に至るまでの流れのスムーズなこと。夏子さんについては電撃結婚・出産といい離婚に伴う再登場といい岩鬼−サチ子路線を進めたり断ち切ったりするために便利に使われてるのがあからさまなのですが、フリーでいさえすれば即座に岩鬼とフラグを立てられる(なにせ再会の数分後にはもう「結婚してくれやなんて言わへん」と言いつつ夏子と遥の母子を東京に迎えたい、夏子の住居と仕事、遥の学校も探す旨を申し出ている)、無印の第一話から岩鬼が夏子さんを好きというのは既定だったので岩鬼が彼女に求愛することに大した動機づけが要らない、その意味では彼女と岩鬼の相性は抜群といえます。
また夏子さんと別れるときに男前な対応を見せた岩鬼は、再度求愛するに当たっても彼女の気持ちを慮って時間をかけ、連れ子の遥にも親身な愛情を注ぐなどいい男っぷりを見せている。夏子さん相手だと自然と岩鬼のいいところが引き出される。やはり夏子さんが岩鬼にとってのベストパートナーということなんでしょうね。
思えば岩鬼を追い回してる間は顰蹙ものの言動ばかりだったサチ子も、里中がらみでは幼少期にも通じる自己犠牲的な健気さを見せた。岩鬼にとっての夏子さんがそうであるように、サチ子の良さを自然と引き出す形になった―里中がサチ子にとってベストパートナーだったのかもしれません。

 


(2012年8月28日up)

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