高二秋・下尾戦〜春センバツ前

 

省略形で描かれる(実況放送のみとか)異色のパターンも多かった高二秋関東大会の中で、準決勝と決勝――二つの対下尾戦はかなりちゃんと描かれた試合でした。やはり「ドカベン山田二世」の異名を取った仁又四郎が関東大会最大のライバルだったということでしょうね。なにせ秋季大会決勝が雨で流れ当然関東大会で戦うものと思われていた=大会最強の敵と目されていた小林と徳川の東郷学園を破ったわけですから。

ちなみにこの下尾と東郷の試合最中に、一年夏〜秋、二年春〜夏に続いて三たび里中が故障してしまう。これまでの二回のようなケガが原因というのでもない、いささか唐突な展開ではあります。皆に気づかれてないのを幸い、里中は故障を隠しつつ表面は明るく、テレビ観戦しながら小林に声援を送ったりしてます。
中学時代のチームメイトとはいえとても親しかったとはいえない、それどころか小林のために不遇たらざるを得なかったのに、プライドの高い里中が何のこだわりもなさそうな顔で小林を応援できるのはいささか不思議です。同じ神奈川という身内意識が働くのか、今度こそきっぱり優劣をつけるためにぜひ決勝戦に出てきてほしかったからか。
しかしこの時点で里中は自分が明日投げることはまず不可能と悟っている。小林のサイドスローに驚いたりはしてるものの基本的には自分の右肩のことで頭がいっぱいで、小林への元気な声援も試合終了を見届けた直後に語った決勝への抱負も全部カラ元気だったんじゃないかなあ。もし里中の体調が万全だったなら、彼は東郷の、小林の敗戦にどんな感慨を抱いたんでしょうか。

一方、不知火に打撃フォームを崩され大スランプに陥ったところからかえって開眼したのか、山田はこの関東大会でなんと5打席連続ホームランの快挙を打ち立てる。もともと強打者の山田ですが、ここまでわかりやすい大記録はもっていなかった。おそらくこれは先の甲子園大会で初めて敗戦を経験し「常勝」の冠がなくなったために明訓高校のカリスマ性が揺らいでしまったのを、山田個人のカリスマ性で補おうと水島先生が考えた結果じゃないかと思います。この大記録のおかげで、春の大会に選抜された学校がこぞって「打倒山田」を掲げるのが納得できるようになっている。

関東大会は埼玉が会場になっているため明訓にとっては大いにアウェイ戦、観客も地元(に近い)大熊谷や下尾を応援して明訓にはブーイング、という稀な現象がしばしば起きていたのですが、連続ホームラン記録のすさまじさに、ついには明訓をなじっていた観客も山田に拍手を送るように。その打棒で敵まで味方につけてしまう山田――というわけでいよいよ山田のスーパーマン化がはかられていく。同時にもともと超人気チームだった明訓の中でも山田の人気が突出していくことになります。


・東郷と下尾の試合を放送で聞きつつ旅館へ戻ってきた明訓ナイン。旅館のテレビで試合観戦するものの、山田は里中に肩を冷やさないよう先に風呂に入ることを勧め里中もあっさりそれに従う。やはり敵を知るよりまず自分の体調管理なのか。
もし山田や岩鬼、太平がそう考えたとしても試合を見たいと思えば断固気持ちを曲げないのが里中なので、後ろ髪を引かれる様子もなくお風呂に行ったということは里中も山田と同じ考えだったということでしょう。単なる敵じゃない、中学時代勝てないどころかまともに勝負する機会さえ与えられなかった相手が出てるというのに。

・試合の結果を想像しながら一人先に入浴する里中。一人広々と風呂を使える、結構特別待遇です。この後の故障発覚シーンに(岩鬼以外の)他人がいちゃまずいからだろうけど。それにしてもこの場面、際どいお色気ショットが続くのはどうしたことか(笑)。タオルの位置とかギリギリすぎる。もともと『ドカベン』は妙に入浴シーンが多いのですが、三太郎や北じゃサービスショットと感じないものが、里中だとどうもこう・・・。

・入浴中、突然右肩に異常を感じる里中。決勝を前に明訓に危険信号、というところですが、これまで里中の故障といえば試合中のケガが原因のものばかりだったので、何の伏線もない今回の故障はいかにも唐突感があります。小さな(まだ完成してない)体で変化球投げ続けてるわけですから、こういうことが起こっても不思議はないわけですが。
しかし今回連投してるといっても一回コールドが二試合もあり、投球数はごく少ないはず。それで故障が出たとなればこれまでの疲労の蓄積としか言いようがない。実は今までで一番の選手生命の危機かもしれません。

・里中が右肩の異常を発見して愕然としているところへ、湯船の中からいきなり岩鬼登場。肺活量試すのに潜ってたとかなんとか。果たして岩鬼に気づかれたのか懸念する里中を振り回すかのように岩鬼は「雨が降ってる」とかいろいろ思わせぶりな台詞を投げかける。
このシーン岩鬼は何を考えているのか。後で明かされたところでは岩鬼はやっぱり故障を知っていたそうなので、里中が自分から打ち明けるかどうかカマかけて揺さぶりながら、二年春同様周囲にケガを隠しきるつもりでいるならなるべくその意思を尊重しつつ里中にもチームにも負担のかからない方法を選択しようとしていたのでしょう。あの岩鬼が、いつのまにかすっかりいい男になったなあと感慨深いです。

・風呂からあがった里中は、試合を観戦してる面々に混ざる。その里中にシップ薬の匂いをかぎつけた山田は、「このにおい・・・・・・・・ シップ薬のにおいだ・・・・・・少しくらいの腕の疲れでも使ったことのない里中が・・・・・・・・・ どうしたんだ右肩・・・・・・・・・」と戦慄する。
ここで不思議なのは山田が一人煩悶するだけで直接里中に肩をどうしたのか問いたださないこと。女房役として投手の体調は正確に把握しておかなくてはならないはずなのに。結局山田は何も聞かないまま「別に気にするほどのシップでもないかも」と流してしまいますが、これは本気でそう納得してるのではなく真相を確かめるのが怖さに安易な結論を自らに言い聞かせてるように思えます。一年秋、二年春と故障のため里中が苦しむのを見てきたがゆえに、このうえまた故障なんて考えたくもない、そんな心理が働いてるのかもしれません。

・試合観戦する里中は珍しい私服姿、なのですが、最初は長袖だったのがなぜか途中から服のデザインはそのまま半袖に。どうも連載の切れ目でうっかり前回の状態を忘れたようです(笑)。以前他のマンガで一続きのシーンなのにヒロインの服がノースリーブのワンピースから長袖シャツとズボンにいきなり変わってるのを見たことがありますが、週刊連載の切れ目にはありがちな事だったんでしょうか。長袖のほうが肩を冷やさないよういつも留意している里中らしいような気がします。

・テレビに向かって「いけ〜〜コバ」と声援を送る里中。これなんだかすごい違和感がありました。いつからそんな親しくなったんだ。高二春土佐丸戦中の回想シーンで「小林さん」と呼んでる箇所を見つけたときよりもっと違和感。

・小林のサイドスローについて、山田は下尾戦に勝てばうちとの決勝では使ってこないはず、決勝進出の時点でもうセンバツ出場は決定なのだから手の内を見せるような事はしないはずだと言う。ここで決勝に残るだけでセンバツには出られる、決勝では手を抜いて当然という話がここでさりげなく振られているおかげで、決勝戦の朝、岩鬼が里中抜きのオーダーを発表したさいの理由説明がよりすんなり飲み込みやすくなっている。このへんの構成はさすがに上手いなあ。

・投手の頭部にデッドボールをぶつけてしまった小林は、デッドボールそのものと観客のヤジに動揺し、連続死球で満塁、一打必敗の状況を作ってしまう。そして打者は下尾きってのパワーヒッター・仁。ここで小林はキャッチャー井戸と徳川監督の支持のもと、ツーストライクから伝家の宝刀・アメリカ仕込みのナックルをついに投げるが、結局井戸は後逸し振り逃げ・押し出しで惜しくも東郷は敗れる。
これはなんといっても仁の前に満塁にしてしまったのが痛かった。頭部デッドボールという状況を考えれば無理からぬところではあるんですが(中学時代から小林は動揺にかなり脆いところがありました。殿馬にホームランを打たれた直後とか。やはりデッドボールで岩鬼の額を割ったときはさほど気にしてなさそうだったけど)、秋季大会で岩鬼に満塁ホームランを打たれた不知火を「問題なのは岩鬼の前だ おれなら満塁になるまでにゲームセットにしてるぜ」と嘲笑ったのを思い出すと皮肉としか言いようがない。その不知火も中学時代山田を敬遠した小林を罵倒しておきながら自分も高一夏の地区予選で体よく山田を敬遠したりしていた。小林を罵った不知火が小林と同じことをやり、不知火を嘲った小林がやはり同じようなことをやる・・・これもまた皮肉です。

・「死んでもとるぞ」と言っておきながら後逸して敗北を決定づけた井戸を責めることなく暖かな笑顔でねぎらう小林。実況もいうとおりすがすがしい光景ですが、こうした育ちの良さを反映したかのような(土井垣にも通じるような)鷹揚さ・優しさが、プレーヤーとしての弱さになっているような気もする。気が優しいからこそデッドボールに動揺してピッチングががたがたになりもしたのだし。
明訓の連中など初の(唯一の)敗北のとき特別打ちひしがれる者もなかったし、チームメイトを励ます者も責める者も誰もいなかった。全員ただただ呆然としていただけ。その場では笑いもせず泣きもしなかった。そして後日校内放送中に大声で泣き出す者あり、それを聞きながら一人悔しさに拳を震わせる者あり、さらに後日自身のもう一つの人生を海に流した者あり――。彼らくらい負けを受け入れられない、勝つことに執着するようでないと選手として大成はできないのかもですね。

・決勝戦を翌日に控え「投げられない しかしそれでも投げるべきなのか ちがうそれではチームに迷惑がかかる 投げられないと思ったら 投げられないといえる度胸のほうが男という時もある 土井垣さんがいっていた・・・あの闘将といわれた土井垣さんが・・・」と悩む里中は「土井垣さんが」の部分で夜空を見つつすがるような眼差しをする。
一年夏白新戦の頃は内心土井垣を二流呼ばわりしてた里中ですが、次第次第に土井垣を先輩として指導者として慕うようになっていった。それが一番はっきり表れてるのがこの台詞だと思います。一人右肩故障の秘密を抱える里中が心中に呼ぶのが山田でなく土井垣だと言うあたり、いつのまにか土井垣の言葉と存在が彼にとって一つの柱になってたんだなあと感じました。

・下尾との決勝の朝、外の豪雨を見つめる里中。周囲では、三太郎「おいおい雨かい?本当かよなんという近ごろの天気だよ ほんとに変わりやすいんだからな」岩鬼「地球に異変が起こりつつあるんや・・・・・・考えてみりゃ野球やっとる場合やないかもしれんでよ・・・・・・・・・」なんて会話が。連載当時(1980年頃)の気候が本当にそうだったんでしょうね。この会話、センバツ準決勝と決勝のアレの伏線だったりして。

・雨なのに試合をやると知った監督の電話対応(悪コンディションで試合することによる選手の負担を思えば試合をやるべきではない)を聞いて「おれのケガを知っていてねばっているのだ・・・・・・」、「こういう雨の中で試合をするのは別に珍しいことではない・・・・・・・・・太平監督の電話は役員に対してではなくこのおれにいっているのだ」と考える里中。つまり大平が里中のケガを知ったうえで先発させるつもりでいるのを前提とした解釈。しかしこの少し後、岩鬼は里中をベンチに残し渚を先発させるオーダーを発表する。これは太平も承知のオーダーだろうから、朝一の段階で太平は渚先発のつもりだった→里中の自分中心な解釈は深読みしすぎだったってことですかね。

・里中ベンチ、渚先発のオーダーを発表し皆を驚かせた岩鬼は、この決勝に勝とうが負けようがセンバツ出場は決まってるんだから、渚に経験を積ませるため&センバツでまた戦うかもしれない下尾に里中の実力を伏せておくためのオーダーだと説明する。それを聞いた里中は、岩鬼が自分のケガを知ったうえで、皆に動揺を与えず渚もプレッシャーを感じず済むよう里中を外した理由づけをしてくれたことに内心で感謝する。
しかしこの説明は渚やほかのメンバーの感情以上に里中の感情を慮ったものだったのでは。一応里中のケガには気づいてないふりをしながら、彼のプライドを傷つけないように「センバツに向けて里中の実力を伏せるため」という言い方をした。これ、太平と岩鬼どちらの発案なんでしょう。何となく岩鬼のような気がします。さすがキャプテン。

・近所の人にバカにされながらも練習にはげむ日光の火野。確かに0−11で一回コールドは外聞悪いことこの上ないですが、相手が天下の明訓なんだからそこまで責めなくっても。ここまで罵倒されるのは火野の行動が選抜狙いのパフォーマンスと思われてるのが主たる原因でしょう。
しかし火野は内心「うるせえ選抜されようがされまいがそのための練習じゃねえや」と思っている。きっと彼は純粋に悔しかったんですね。いかに明訓相手とはいえ0−11で手も足も出ずに終わった自分たちの不甲斐なさが。だから次の夏こそはと思う、いやそれ以上に弱いままでいることが我慢ならなくてとにかく自身を鍛えていなければ気がすまなかったのでしょう。
思えば敗戦の直後にチームメイトへの気遣いゆえとはいえ穏やかな笑顔を見せていた小林とは対照的。敗北を悔しく思う気持ちの強かったほうが結果的に選抜されることとなった、そう考えれば東郷学園の理不尽な選抜落ちが少し得心いくような気もしてきます。

・試合開始早々にホームランを打たれて頭に血が上った渚に山田が駆け寄る。「わるい わるい 様子を見るためいちばんおまえの飛ぶタマを要求したら やっぱり打ってきた」「えっ そうなんですか?こまりますよ もっとまじめにリードしてください」。入部当初山田にびびらされてた頃と比べて、渚もずいぶん言うようになったもんです。これは別段、普段はいかにも人が良さげに見える山田をなめてるわけではなくて、誰にでも基本生意気なんでしょうね。それでこそ渚というか。

・山田の作戦が「うーん読めた」という監督に対し里中は「読めてないですよ そんな攻め方をするわけがありませんよ 1対0の試合で負けることもあるんですから あのボールは明らかに失投です いきなりホームランで血の気の多い渚がますますカッカしてるので山田が自分の責任にしたんですよ」。
言い切り口調に上から目線の解説。こちらも実に生意気です。腕組みポーズもなんか偉そう。山田もその傾向がありますが、なまじ野球をよく知っているだけに素人監督に対し無意識に(時には意識的に)なめた態度になってしまうわけですね。
ここで里中は外から眺めると改めてキャッチャー山田のすごさがわかると考えてますが、渚のピッチング自体は何も褒めてやらないのか。褒めるほどのポイントがなにもなかったのか・・・?

・長打を封じるため主砲・仁を疲れさせようと仁の守備位置に打球を集めまくる明訓。それに対し仁の守備位置を次々と変えることで対応する下尾。仁がどこのポジジョンを守ろうとその場所にボールを狙い打ちできる明訓の打線は大したもんですが、どこのポジションも守れてしまう仁はさらにすごい。太っていて足は遅くても体が柔らかくフィールディングに優れているのは山田と一緒ですね。そしてついにここばかりは狙い打ちできないキャッチャーに。しかし仁を執拗に集中攻撃する明訓の作戦は結構セコい。やはり里中がベンチで投手力が不足してるゆえでしょうか。

・負けてもいいはずの試合ではありましたが、無事里中抜きのまま勝利。試合終了後、岩鬼が「おい虚弱坊や選抜までには治しておけや」と里中の右肩を叩く。このタイミングで故障に気づいてることを明かしたのは、大会が終了すればケガのことがわかっても当面試合がないので味方の動揺も最小限になるし敵に知られて困ることもないと考えたからでしょう。まさかこの故障がセンバツの初日まで後を引くとは。

・関東大会での5打席連続ホームランの影響で記者にやたらめったら追いまわされる山田。これまでも明訓の主砲・高校野球界きっての名捕手として業界からもファンからも注目を浴びてきた山田ですが、もはや高校野球というフィールド、常勝明訓の一員という枠さえはみ出しての国民的スターと化しています。
しかし記者のあの追いかけ方(特に車のクラクションを鳴らしまくって近所の人たちにわざと迷惑をかける)はプロでさえない高校生を相手にあんまりというもの。屋根裏に潜む記者に煮立ったお湯をかけてやると笑うサチ子など、ノイローゼで頭いっちゃったかのような顔色してました。

・学校を訪ねてきた土井垣と山岡・石毛の会話。山岡「土井垣さん新人王残念でしたね」石毛「でも犬飼さんもとれなかったんですから」「いやいや新人王のチャンスは犬飼もおれも来年に持ち越しだ」。少し前に訪ねてきたとき元気がなかったのは新人王がらみの含みだったんでしょうか?

・2月1日の春の甲子園出場校決定の瞬間までをじっくりと描く。「2月1日 その日甲子園球場に珍しく雪が降っていた」のコマはなかなか絵になる光景。このシーンですが本当にこの年の2月1日に雪が降ったのを受けてるとかなんですかね。ここで雪の甲子園が絵になると気づいたために、決勝戦がああいう形になったんだったりして。

・明訓がセンバツに選ばれた直後、山田「おめでとう岩鬼」と右手を差し出す。「アホかわかりきったことにやったもくそもあるかい」と応じる岩鬼。かつて高校初の試合で勝った直後に「おめでとう里中」発言していた山田ですが、ここでも「おめでとう」と他人事のよう。岩鬼は主将だから、真っ先に喜ぶべきは岩鬼という観念があるからなんでしょうけど。

・一方、明訓、下尾に続いてもう一校のセンバツ枠に入ったのは何と東郷ではなく日光学園。驚きと喜びのあまりにわかに信じることができない火野。日光の祝賀ムードと対照的に愕然呆然の東郷の面々。関東大会でまたも明訓と東郷が戦わなかったのはセンバツで満を持して両者を対決させるためだと考えてきた読者の予想(期待)を見事に裏切る展開です。
確かに町の人たちに罵声を浴びせられても一人黙々と練習に励む火野の姿は応援したい気持ちにさせられましたが、それにしてもなあ。だいたい1回コールドそれも0−11で負けた日光が選ばれて下尾と接戦を演じた東郷が落とされる理由が見当たらない。日光に勝った明訓が優勝、東郷に勝った下尾は準優勝ということで日光より下扱いになったのか?試合内容は東郷の方が断然よかったのに。もしかすると野球留学(いつのまにかそういう事になってた)から帰国して間を置かずに秋の大会に出場してる小林の存在が高野連的にグレーゾーンになったとかですか?(転校前の学校で野球部に所属していた場合、転校後一年間野球部の公式試合には出られない。小林の場合高野連に所属しないアメリカの学校からの転校のため一応認められたが、東郷と下尾どっちを選ぶかという段になった時にやはり問題視された――とかそんな流れなのかも。じゃあ三太郎はどうなる、という話ですが) 単に神奈川から二校じゃ片寄るから、なんて理由だったとしたら報われないなあ。

・夜、合宿所の部屋で作曲する殿馬。部屋でサインの練習する岩鬼とそばでグローブを手入れする三太郎。どうもこの時期は殿馬一人部屋、岩鬼三太郎同室っぽい。夏の甲子園で負けて楽譜を捨てた後、殿馬は高校の間はきっぱり音楽と決別したイメージだったので、ここで作曲する姿が出てきたのはちょっと意外。

・太平洋が山田を訪ねてくる。「おやじの下宿に行ったらまだ帰ってないというので合宿かと思って・・・・・・」。太平さんは下宿住まいなのか。

・夜の屋内投球練習場を俯瞰した絵に里中の悲鳴と山田の「これしかないんだ里中がんばるんだ里中」という声だけが響くという構図。雰囲気がアヤしいアヤしいとよくツッコまれてるコマですが(たしかにアヤしいけど)、順当に考えて一年秋と同じ逆療法を山田が里中に施してるんでしょうね。今度はあまり効果がなかったようですが。そしてなぜ小泉先生に治療してもらわないんだろう?

・志望校に落ちた(と思っている)苛立ちを紛らわすように、仲根は岩鬼を相手に1時間もの猛烈ノックを行う。これ岩鬼でなかったら、ボロボロになっているところ。いわば八つ当たりでしごかれながら、むしろ仲根の気迫を認めて彼が前向きになれるような発言をする岩鬼はいいやつだ。

・仲根に無事合格したことを告げにきた山岡・石毛も順に岩鬼に猛ノックを課す。さすがにいじめじゃないかというシーンですが、岩鬼が平然と受けてたったのみならず、ノックを無事クリアして山岡たちの方がフラフラになるという岩鬼の不死身っぷりを印象付ける展開に。それにしても殿馬が笑顔で「よってたかっていけづら」と山岡たちをけしかけているのには笑いました。ひでえ(笑)。

・センバツに選ばれた各校の紹介記事。皆が皆打倒山田を目指して、普通の練習では飽き足らないと野球以外のスポーツ(多くは格闘技)のトレーニングに励んだりしている。素直に野球の練習やったほうがいいと思うのだが。明訓に唯一土をつけた弁慶高校が野球素人の山伏集団だったせいだろうか。まあ太平洋の合気道は結構(精神修養という意味でも)役に立ちそうですが。ちゃんと試合の中でも効果的に合気道使いの設定が利用されてたし。


(2011年8月12日up)

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