ブリアン・ド・ラージュ

 

 『永遠の旅人』『魔術師の鏡』登場。カル・ダームV世(たぶん)からW世にかけて帝国の大臣を務め、50年以上にわたって帝国の中枢を支えた。「約束は守る」が、〈秩序を守るためには危険分子は排除すべき〉と考える、悪人ではないが悪辣・冷徹なあたりは、バレンシュタイン大佐に通じるものがあるか(バレンシュタインはロックにロボトミー手術をほどこしたが、ド・ラージュもリートに「針」を埋め込もうとした。ロックとしてはラフノールがド・ラージュに本物のリートを渡さなかったことを感謝せざるを得まい)。

 ロックの首に賞金をかけたり、偽ロックを流行らせたりと、一種ロックには天敵のような存在だが、『魔術師の鏡』を見るかぎりでは、緊張感をはらみつつも結構いい関係(友情?)を保ってるように見える。この二人『魔術師の鏡』以前にも顔をあわせているのかも。

 彼はカル・ダームW世=銀河コンピューターであることに気づいていたのだろうが(ド・ラージュの在任中にV世→W世の謎の交代劇が起きたと思われる。〈60年前に驚いた〉のはそれに関係してるんじゃないか)、カル・ダームV世のようにそれに抵抗しようとするのでなく、〈銀河系の秩序のために〉「皇帝とコンピューターのおもりをする」方を選んだ(そういう男だからこそ、カル・ダームV世も「書を守る者」計画に彼を誘わなかったんだろう)。

 コンピューターに〈仕えている〉状況を容認するというのは結構辛いものがあるだろう。彼の一種投げやりな、ロックが連邦のキューブを持ってることも彼の居場所もわかってるらしいのに、「しばらく楽しめそうだ」と思ってしまうような態度は、全てを知ったうえでそれを受け入れざるを得なかった悲哀から来るのかもしれない。エスパー嫌いをはっきり口にしつつ、内心ロックを気に入っているように見えるのは、ロックが彼を楽しませてくれる貴重な存在だったからではないだろうか。

 

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