ロック組曲 超人ロック
1 LOCKE THE ZUPERMAN 作詩 H.E.R.バーンズ 作曲 発地伸男 編曲 タリスマン 歌 発地伸男
ピアニッシモから少しずつ音がせまってくるようなイントロは、まさに「組曲」の始まりという壮大なスケール感がありワクワクさせる。“ズーパーマーン♪”という高音部での裏声の抜け方が絶妙の味。勇ましい歌詩も曲もとにかく格好よい。このアルバムの“顔”となっている曲。
2 SECRET SCHOOL 作詩 H.E.R.バーンズ、伊藤アキラ 作曲 巳城研二、石川恵樹 編曲 タリスマン 歌 巳城研二
「でたらめだあー!」と叫んだ曲その1。「SECRET SCHOOL」とはジェシカの通ってた学園のことだろうが、「あたりまえのこうぎなんて」みんな学んでたし、別に「しのび足」でもないし・・・。いや好きですけどねこの曲。進軍マーチみたいな導入部、導入部と同じモチーフでシメたラストが印象的。
3 THE INVASION 作詩 ビル・ビリー 作曲 巳城研二、石川恵樹 編曲 タリスマン 歌 木村昇、石川恵樹
『ロック』イメージアルバム中でも数少ない男性同士のデュエット曲。軍の緊急通信の内容がそのまま歌詩という一風変わったテーマの曲。“Sir!”“Leutenant!”という呼びかけが適度な緊張感をかもし出している。前曲が陽気だった分アルバム中でもきわだって重い渋い曲になっている。イントロとラストでモールス信号ぽい音が入っているあたり凝っている。
4 YOU’LL BE FALLING(LADY KAHN) 作詩 H.E.R.バーンズ、ビル・ビリー、伊藤アキラ 作曲 発地伸男 編曲 タリスマン 歌 発地伸男
ハワイア〜ンなイントロに始まり、軽妙なパーカッション(?)に乗せて勇ましい歌詩とは裏腹のさわやかなメロディラインが展開。このアルバムで一番好きな曲。発地氏の高音はここでも冴えている。サビの英語詩部分の訳がなぜか丁寧語なのが笑える。
5 ZU−ZU−ZZZUPERMAN 作詩 H.E.R.バーンズ 作曲 石川恵樹 編曲 タリスマン 歌 石川恵樹
タイトルを見て笑い、“ロック・ザ・ズズズズーパーマーン”という歌詩にさらに笑った。そんなにズーパーマンを強調しなくっても。歌詩が“LOCKE THE ZUPERMAN”の本歌取りになってるアンサーソングだが、原作での彼ら(敵エスパー軍団)のあっけなさを思うとこれまた笑ってしまう。曲はめちゃ格好よいのだが。
6 WE NEED YOU 作詩 H.E.R.バーンズ 作曲 タケカワユキヒデ 編曲 木村昇 歌 木村昇
この曲を聴くたび何だかすごく心がなごむ。タケカワさんらしい穏やかな優しいメロディとアレンジが魅力。ゴダイゴ(タケカワユキヒデが在籍していた伝説的バンド)も好きな私が最初から期待し、その期待を裏切られなかった曲。“WE NEED YOU WE NEED YOU LOCKE”というフレーズのリフレイン→フェイドアウトという流れが印象的。
7 COMPUTER“G” 作詩 H.E.R.バーンズ 作曲 タケカワユキヒデ 編曲 木村昇 歌 木村昇
このアルバムの中でもっともインパクトの強い曲であろう。「でたらめだあー!」と叫んだ歌その2。原作ではものすごくあっさり破壊されたコンピューターG1にまさかテーマソング(?)ができるとは(笑)。G1が破壊されてもだれも“自由のない奴隷”になどならなかったし、ロックはG1には一切関わってないし・・・。いかにも一昔前のロボット、コンピューターのイメージなSE(効果音)と軽やかなリズムのノリのよい曲。実はかなり好きだったりする。
8 REMDEZ−VOUS 作詩 伊藤アキラ 作曲 発地伸男 編曲 タリスマン 歌 発地伸男
流れるようなメロディラインの幸せいっぱいのラブソング。『魔女の世紀』にはヤマキとジェシカ、ロックとコーネリアの二組のカップルがいるが、この曲の甘い雰囲気から、私は前者のテーマであろうと踏んでいる。
9 MILLENIUM 作詩 H.E.R.バーンズ、ビル・ビリー、伊藤アキラ 作曲 巳城研二、石川恵樹 編曲 タリスマン 歌 巳城研二
ちょっと形容のむずかしい曲。軽快だがひとくせありげな曲調の中に途中でスローなバラード部分が挿入される。巳城氏のドスのきいた声で“愛の花園”なんて歌詩を歌われると違和感で笑える。間奏部、ラストのサックスソロが格好よい。
10 THE CHOSEN ONE 作詩 H.E.R.バーンズ、ビル・ビリー 作曲 巳城研二、石川恵樹 編曲 タリスマン 歌 木村昇
全体にシンコペーションを用いた独特のリズムに歯切れのよいボーカルが乗る。曲に対する歌詩のかかり方も面白い。
11 MY PLANET 作曲 石川恵樹 編曲 タリスマン
このアルバムでは唯一のインストゥルメンタル。最初聴いたとき「長いイントロだなあ」とか思っていた(汗)。小鳥の声や川のせせらぎなどのバックの音がヒーリングミュージックぽい。イージーリスニング的な落ち着いた曲。“MY PLANET”というのは惑星トアのことだろうか。ラストの宇宙船(?)の音で次の曲につなぐ演出が渋い。
12 A FOREVER KIND OF LOVE 作詩 奈良橋陽子、伊藤アキラ 作曲 巳城研二、石川恵樹 編曲 タリスマン 歌 木村昇
スケールの大きなバラード。アルバムのラストを飾る曲。詩と曲に満ちる哀愁がまさにロック。
タイトルは「ロック組曲」だが実質的には「イメージアルバム・魔女の世紀」である。このコーナーを書くために久々に聴き返してみて改めて出来の良さにうならされた。タリスマン独特の、ちょっと抜けた感じのマイルドな音、とくに英語詩の歌に特徴的な無国籍感(その後のアルバムに全英語詩の曲がないのは不評だったということ?)、緩急がはっきりした曲の並び方、どれをとっても素晴らしい。とても丁寧に作りこまれたアルバムだと感じました。こんな作品を作ってもらえたことに、一『ロック』ファンとして関係者の皆様に心から感謝。
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