アミナ・バーダル

 

 『ソード・オブ・ネメシス』『オメガ』登場。ゴダン・コーポレートの追跡から逃れるべく母とともに幼い頃から方々の星を点々とする。惑星ビルダ潜伏中に調査にやってきたロックと出会う。『ニンバスと負の世界』のジミィのポジションにあたるキャラクターだが、比較的おしとやかだったジミィとは対照的に初登場そうそうロックにむかって「くされ××野郎!」なる啖呵を切ってのけたワイルドな少女。

 といっても口が悪いだけで基本的に素直で純粋。見た目から察するに13、4歳くらいだろうか?小さい頃から苦労したせいか年齢不相応にしっかりしている(侵入者たちに人質に取られEセンサー付きの爆弾を首に巻かれたさいに、アイザックに助けられるとすぐに爆弾を外して捨ててロックが超能力で傷を治せるようにしたシーンに顕著)一方、ずっと母と二人で旅していて同世代の友人を持ったり家庭以外のコミュニティに参加する機会がなかったからか年齢より幼く無邪気な一面も。

 家族も恋人もいないと言うロックに「さびしくないの? あの ずっと一緒にいてくれる人がいなくて」と真っ正面から尋ねてしまうあたり『赤いサーペント』のリオラに通じるものがある(そういえばリオラも育ててくれた「おばさん」と二人暮らしで同世代の友達などはいなそうだった)。そして自身はエスパーでないにもかかわらずロックに心を読まれることに抵抗を示さない(自分のようなエスパーがそばにいると考えてることが筒抜けになるのを恐れてみんな落ち着かなくなるものだというロックの言葉に「変なの!」と即答する場面はジミィを彷彿とさせた。

 ロックとアイザックのおかげで父と祖父が無事に戻ってきてからは、8年ぶりに平穏な生活を送れるように。『オメガ』で普通に学校に行き、普通に同年代の友達を家に招いたり一緒に旅行する計画を立てたりしてる姿は『ソード・オブ・ネメシス』の頃を思うと感慨深いものがある。ソニアは結構修羅場をくぐってるアミナの言動に友達がついていけるか心配していたが、描かれた限りではこれといった問題も起きてないようなのでそこは安心した。『オメガ』ではアミナも母ソニアも出番が少なく特段活躍する場面もないが、それこそが彼女たちが平和に暮らせている証なわけだから喜ぶべきなんだろう。ただ普通の生活に馴染んだアミナがいつの日か、エスパーの前で落ち着かなくなるなんて変、と断言できなくなってしまうのかもと考えるとちょっと寂しい気もするのだった。

 

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