アマゾナ

 

 『炎の虎』登場。海賊「炎の虎」のキャプテンでエスパー。男まさりの強気な性格。冷酷に見えるが仲間と認めた相手には深い情を示すあたりに、おそらくは幼時から化物呼ばわりされてきたことによる、〈外〉に対する警戒心の強さと孤独感がうかがえる。

 ロックの家族を含むエナ市の人々の死に平然としていた彼女が、今度は自分が仲間を皆殺しにされ、ゼノン公の館でD弾に狙われる。まさに人にしたことが自分に返ってきた感がある。このときただ一人彼女の味方だったのがロックだった。

 人間社会に容れられない孤独感から逃れるため強がってきた彼女にとって、何も言わず自分を許し守ってくれたロックの存在は驚きであり、安らぎだったのだと思う。だが、ロックと一緒に平穏に暮らすことはできない。エリカと同じく、人間の顔色をこそこそうかがって生きることを拒否し、「エスパー」として生きることを選び、その選択の上にすでに多くの人を殺してきたのだから。

 けれど身内を殺される痛みをはっきり知ってしまった彼女は海賊にも戻れない。ロックに「終わったんだ みんな・・・・・・」と言われたときの表情は、どこへも動けなくなってる自身に気づかざるを得なかったからだろう・・・。わざとロックを挑発し、彼の手にかかったのは、この袋小路にピリオドを打つため、ロックに仇を討たせてやるため、唯一信頼した(愛した?)男に命を捧げるため――絶対〈幸福〉にはなれない女性だったなあ。

 

 

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